BRAND BIBLE

#0012019 06/20

リネンには、理想がある。

「なぜ、リネンの魅力を人々に伝えようとするのですか?」
ときどき、私にそう尋ねる方がいます。
誤解を恐れずに言えば、リネンは私が伝えたいことの一部、きっかけにすぎません。
リネンと共に暮らすことが与えてくれる感性、艶、豊かさ、美しさ。
肌で、心で、本当に大切なものに触れながら、
すばらしい暮らしを、そして人生を送っていただきたいと思っているのです。
その想いに立ち返るたびに、私の胸に湧き起こる、あるイメージがあります。

お父さん、お母さん、子どもがゆるやかな、でも、満ち足りた雰囲気の中で
ともに過ごす、ごく当たり前の日常。
ふたりが子どもに優しいまなざしを向ける一方で、
お母さんは、お父さんに対して艶やかで美しい一面を見せている。
お父さんは、そんなお母さんを一人の女性として愛しそうに見つめている。
いつまでも男と女という意識とちょうどいい緊張感がふたりの間には流れ、
子どもは、そんな仲が良い両親の姿を見ながら、やがて大人になっていく。

それは、いつかモノクロームの映画で見た世界かもしれません。
実際、ヨーロッパには、いまだに女性がずっと女性として、
男性はずっと男性として魅力的に生きようとする文化があります。
あるいは、私が少女だったことの記憶かもしれません。
決して裕福ではなかったけれど、私の両親はお互いに魅力的であろうとしました。
そして、そんな生き方が、かつての日本には確かにあったのだと思います。

ところで、あなたはこんな疑問を抱いたことはありませんか?
なぜ、リネンで仕立てられたウエアにはセクシーさが漂っているのか。
なぜ、リネンで仕立てられたテーブルクロスは気品に満ちているのか。
なぜ、リネンで仕立てられたベッドシーツは幸福感にあふれているのか。
いくつになっても頬をポッと染めたり、
全身で幸せを感じたりすることで、人はもっと豊かで美しくいられる。
人生が、もっともっと、愛おしく思える。
そんな何物にも代え難い感情や瞬間、生き方への憧れを、
リネンという唯一無二の素材は、時を超えて受け止め続けてきたからだと思います。
そして、心の内々では多くの人がそんな日常を求めている。 私は強く、そう信じているのです。

気がつくと日本は以前よりも殺伐としてしまっていて、
本当の豊かさや美しさとは何かまで見失っているようです。
だからこそ私はリネンのある暮らしを通じて共に豊かさや美しさを育て、
その歓びをわかちあっていきたい。
GRAND FOND BLANC BIBLEは、リネンに惚れ込み、
人生を捧げる者としてあなたにお伝えしたい私なりの思想であり、理想です。
ここに綴ったことが、あなたの人生を豊かに美しくするきっかけになれば、
こんなにうれしいことはありません。

GRAND FOND BLANC デザイナー 笹木美保子