BRAND BIBLE

#0022019 12/17

ベースを大切にする。


グラン フォン ブランというブランド名。
アートに詳しい方なら、目にしたことや耳にしたことがあるかもしれません。
そう、この名前は、もともとリネンとは全く関係のないところから来ていて、
20世紀初頭のパリを魅了した日本人画家 レオナール・フジタが
彼にしか描けない絵を生み出すために自ら作り上げた乳白色の下地に由来しています。
人々は彼の下地を“グラン フォン ブラン(素晴らしき白)”と呼んで、
大いに賞賛し、その美しさは現代に至っても多くの心を捉え続けています。

私自身も、その美しさに魅了されたことに違いはありません。
もともと、極細の日本の筆で描くように消えるか消えないかくらいの
線の細さを追求するフジタの作品は非常に好きで、
「どこまで計算して、描いているのだろう」と好奇心まで刺激する作品を
目にするたびに、息を飲んでしまうほど魅了されてしまいます。

しかし、“グラン フォン ブラン”をブランド名にまで冠しようと思った一番の理由は、
そのような目に見える部分の美しさではありません。
フジタの絵画のベースとなる乳白色の下地を、彼は工夫に工夫を重ねて作りました。
自分でキャンバスの地となる麻を選び、鋲を打って、極秘の配合で生み出した乳白色を塗る。
そのプロセスにかけるこだわりや、そのベースが彼にとって
どれだけ大事だったかということに心が震えるほど感銘を受けたのです。

ベースがよくなければ、その後にどんな工程を経ようとも決していいものにはならない。
ものづくりにおける本質を教えてもらったようで、
その瞬間、「私もこういうふうにしていきたい」と強く思いました。
こちらのグラン フォン ブランは絵画ではなくリネンですが、
製品のベースになる生地には扱いが非常に難しい極細の糸を用い、
人の肌に優しく、滑らかに感じられるほど丁寧に織り上げたものにこだわっています。

そして、レオナール・フジタが乳白色の下地の上に様々な絵を描いたように、
丁寧に織り上げられたリネンの上には様々な暮らしが営まれていきます。
どんなライフスタイルを選ぶとしてもベース次第で、そのあり方は大きく変わっていきます。

私たちがお届けしているベットリネンやルームウェアなどは見る人によっては、
ただの物に過ぎないかもしれません。でも、ほんの一瞬でいい。
叶えたい暮らしのベースを選んでいるんだ、と思ってみてください。
そのとき、丁寧に織り上げられた生地、こだわって作られた製品は、

単なる物を超えて、あなただけの物語を紡ぐための確かな土台なります。
ベースを大切にすることは、その後に広がる人生のすべてを
大切にすることにつながっているのです。

GRAND FOND BLANC デザイナー 笹木美保子